臨床に必要な形式知と暗黙知②
アウトプットの大切さで書いた様に新しく朝勉強会を当院のリハビリ科で行える様に企画しています。
その企画に関してなぜアウトプットが大切なのか、ゆくゆくはどのような勉強会にしたいか、というのを昨日書いた臨床の知識 と合わせて更に深めたので自分のまとめとして書いていこうと思います。
*昨日同様、個人的な解釈・理解が含まれているため、誤った表現・解釈などが含まれる可能性があります。
昨今、理学療法の世界で必要と言われているEBPTとは、臨床経験などから暗黙知として得られていた知識を研究を通して具体的に形式知化したものではないだろうか。
その暗黙知であった知識を形式知化する過程がアウトプットであると考えている。
そして、自分が企画したい朝勉強会では、このアウトプットを積極的に行っていきたいと考えている。
暗黙知として共有し難かった知識を各人がアウトプットを行う。その形式知化された知識を批判的に協議することで形式知が組織知として皆に共有される。
その組織知を実際の患者さんで実践し、自分の経験値として落とし込み、暗黙知として蓄える。
そして蓄えられた暗黙知を形式知化し、批判的に協議し、組織知化し、実践して暗黙知へ・・・
上記の様な好循環をSECIモデルという。
*SECIモデルとは、「共同化」(Socialization)、「表出化」(Externalization)、「連結化」(Combination)、「内面化」(Internalization)という4つのプロセスを経て個人の知識が組織内で共有可能な知識となること。野中郁次郎先生と竹内弘高先生が、『The Knowledge Creating Company』(日本語訳:知的創造企業)において紹介したナレッジマネジメント理論における代表的な物である。
(以下、個人的な解釈を含む為、間違えがあれば指摘して下さい。)
「共同化」とは、先輩が後輩に手取り足取り教えたり、模倣などを行わせることで暗黙知を暗黙知として伝える過程(暗黙知⇒暗黙知)
「表出化」とは、暗黙知を表出可能な言葉として形式知化する過程(暗黙知⇒形式知)
「連結化」とは、バラバラの形式知をまとめる過程。マニュアルやルールなどはこの過程で作られる。(形式知⇒形式知)
「内面化」とは、連結された知識を用いて個人が実践し、新たな経験値として暗黙知が蓄積される過程(形式知⇒暗黙知)
このSECIモデルがうまく機能することでリハビリ科全体の組織としての医療の質の向上に繋がり、患者満足や治療成果なども高められるのではないかと考える。
したがって、暗黙知を形式知化するためのアウトプットは必要である。
まだまだこのSECIモデルを利用してできることが沢山あると考えていますが、今日のまとめはこの辺で。
このモデルが機能し出せばリハビリ科はまだまだ良い方向へ転換できる!!実現に向けて一歩一歩進むぞ!!