臨床に必要な形式知と暗黙知
今日は祝日で仕事が休みでした。
クリニカルクラークシップ を学んでから考えている臨床における必要な知識を自分なりにまとめてみました。
*以下は自分の考えをまとめているため、誤った表現・解釈が含まれている可能性があります。
臨床において必要な知識は形式知(教科書や文献などから得られる知識)と、暗黙知(自らの経験に基づいた表現しがたい知識)がある。
まずは大前提に形式知に当てはめて現象を考え、変化を感じ、なぜ変化したのか、どのように変化したのかを考える。そうすることで自分の経験値として蓄積されていく。
そのため、教科書や文献から形式知を蓄えるというのがまず重要である。
そして、暗黙知を考えると単純に教科書などから得ることができない知識のため、更に難しい。
経験として落とし込むまでの過程を考えてみると、以下の項目があると思う。
①患者さんの何をどのように評価したいのか考える
②評価したいことに対して形式知を利用して評価しようとする
③実際に評価・試験治療する
④変化をフィードバックとして得る
①に関しては、患者さんの訴えを問診から正確に汲み取る必要がある。そのためには、患者さんに対する接遇などによって信頼関係を結び、症状などを述べてもらう技術が必要になる。
②そして、患者さんの訴えから評価項目を選定する。その際に、形式知をいつでも取り出せる様に頭の中を整理しておく必要がある。
③評価する際に形式知としての解剖学、運動学、生理学の知識が必要である。そして、その知識に基づいた正確な触診技術が必要になる。触診技術に含まれるが、患者さんの筋緊張のコントロールなども必要になってくるため、実際にハンドリング操作が重要である。
④評価・試験治療した項目に対して、変化点を感じるセンサーが必要である。
更に④に関しては状態や症状が変化しないこともある。その時に考えられることとしては、
(1)当てはめた形式知が誤っていた
(2)自分の評価・試験治療などの方法が間違っていた
ことが考えられる。
(1)は更に形式知を増やし、新たな仮説に基づき①〜④を実践していく。
(2)に関して細分化すると、
⒈部位を間違えていた
⒉力の方向を間違えていた
⒊力の強度を間違えていた
⒋治療時間が適切ではなかった
が考えられる。
以上、まとめた項目全てを常に考えながら患者さんの治療に臨む必要がある。そして、経験値として自分の中で落とし込まれ、暗黙知として利用可能となる。
自分に当てはめて考えた場合、臨床経験も数年経ち、患者さんに触れる機会も沢山あるため、経験値は以前より確実に増えています。それに対して形式知を増やしていくことが自分には不足していると感じています。
そのため、経験を乏しい形式知で処理しようとするため分からないことが生じるのだと思います。
臨床年数的には初心者ではなく、次の段階になっているとは思うのですが、驕ること無く常に学ぶ姿勢で明日からの臨床に臨んでいきたいと思います。