【新人理学療法士・実習生の教育方法】クリニカルクラークシップ(CCS)とは
今日は午後からお休みをいただき、来年当院に実習にくる学生のための実習バイザー会議に参加してきました。
養成校の実習指導形態がクリニカルクラークシップ(CCS)というものを採用しているとのことでした。今まで当院にはない形で???という感じからスタートしました。
CCSについてまとめてみたいと思います。
CCSって何?
会議に参加して私なりに思ったCCSとは、「学生が患者さんに関わる一員として、できることから徐々に関わりを深めていくこと」といった感じです。
私が経験した実習では、学生が担当する患者さんが決まり、最初から最後まで学生が評価・治療介入などを行い、評価結果や治療プログラムなどを紙面にまとめ、サマリー発表会を行うといった流れが一般的だったと思います。
CCSでは指導者が実際の評価・治療などを細かく学生に指導し、まずは助言をした上で学生に模倣してもらうことを目標にします。その後、出来ていない部分、出来ている部分をフィードバックしながら臨床の「経験値」を高めてあげる過程を重視しています。
臨床現場では教科書では学べないことが沢山あります。もちろん、原理原則としての教科書や、EBMなど必要です。しかし、それだけにこだわらず指導者が考えていることや実践していることを学生に伝え、それを学生自身が解釈するといったかたちでした。
私が感じたCCS
この学習形態を聞いてまず思ったのが、「自主的な興味発想抜きにして、こちらの知識などの押し付けにならないかな?」でした。
指導者が伝えたことを学生が批判的な見識を持って自己学習を行い、取捨選択を行いながら成長してくれるならば素晴らしい教育課程だと思います。
しかし、実際は批判的な見識というよりも言われたことを自分の中で解釈せず、そのまま鵜呑みにしてしまう状況になってしまうのではないかと思います。
まずは何も考えずに言われたことをやってみて、その後自分で考えるといった方法ももちろんありだと思います。私は何事も毛嫌いせず、とにかく何事もやってみてから判断しようと意識しています。
しかし、学生は経験も無ければ知識もなく、実習期間も限られており、判断する材料に乏しいと思います。その状況において模倣が正しいのか、間違っているのかといった批判的な考え方で判断しろというのが無理難題ではないでしょうか。
学生に対して「そこまで学生は出来る必要は無いよ、これから数年かけて模倣しながら学ぶことだから」と言うことは簡単です。
しかし、自分が担当して誠心誠意学生に向き合うからこそ簡単にはこんなことは言えないんじゃないでしょうか?
レポートに縛られた実習形態でいいのか?
私はレポート形式に縛られた実習形態を推奨している訳ではありません。私も学生時代、実習を行いながらレポートを書くための実習になっていることを感じていました。実習は紙面では学べないことを学び、経験値を高める場にする必要があると思います。その点に置いてCCSには大賛成です。
どうすればCCSはうまくいくのか?
私はまず第一に学生が批判的に物事を考える能力を身につけることがいいのではないかと思います。
とことん突き詰めると指導者の言っていることは本当なのか?教科書は正しいのか?本当のEBMって何なのか?と調べが深まっていくと思います。
まとめ
私が考えるCCSについてまとめてみました。
学生に対して思うことですが、まずは自分が批判的な姿勢を常に持ち続けて仕事に取り組むべきですね。
年明けには学生が実習に来ます。それまでに当院でのCCSに基づいた教育方針などを議論していく必要があるなと思いました。