何から学べば良いか分からない新人理学療法士に読んでほしい参考書3選
新人理学療法士の皆さん、仕事を始めてみていかがだったでしょうか?いきなり患者さんを担当している方、受付業務に専念している方、先輩理学療法士について治療の見学をしている方など様々だと思います。新人時代の私を振り返ってみると、何から勉強していけば良いのか分からなかったのを覚えています。
教科書を読めば良いの?論文を読めば良いの?勉強会に参加すれば良いの?
これら全部大事です。
でも、いきなりこれら全部やるのって大変ですよね。担当患者さんが少ないこの時期だからこそ、新人理学療法士だからこそ勉強しなくてはいけないことがあると思います。今日はおすすめの勉強法と参考書を紹介したいと思います。
基本は解剖学・運動学・生理学!
学生時代から解剖学・運動学・生理学って良く聞きますよね。何でこの言葉を良く聞くのでしょうか?それは、突き詰めて考えればこれら3つを学べば人間の身体の状態を説明できるからなんです!!
私は整形外科で働いているので、整形外科分野で例えます。
TKA術後の患者さんだと・・・
解剖学:膝のアライメントは?術式は?
運動学:膝の動き方は?関節の角度は?
生理学:術後炎症の程度は?
かなりざっくりと書きましたが、この様に身体の状態を説明することができます。
そのため、臨床経験を何年積んだとしてもこの3つを学ぶことが重要になってきます。
3つ全部重要だとは思いますが、個人的には解剖学の知識が最も重要なのではないかと思います。というのも、解剖学が分かっていないと実際に患者さんの治療を行う時に目的の組織を触診できない、ランドマークの位置関係が分からないなどが生じます。解剖学を理解した上で運動学や生理学を学んでいくと知識が深まっていくと思います。
おすすめの勉強方法
では、どのように勉強していくのがいいのでしょうか?私なりのおすすめ方法を説明したいと思います。
- 患者さんの評価・治療を常に考えながら真剣に行う
- 疑問点を解剖学・運動学・生理学の教科書で調べる
- 自分なりの解決方法を実践してみる
- また現れた疑問を教科書で調べる・・・
この1〜4の繰り返しに尽きると思います。
よくありがちなのが、セミナーに沢山参加すればするほど頭が良くなった気がしてきてしまうということです。少ない給料からお金を出して参加するセミナーには臨床力が急激にアップする魔法の力がある気がしてしまうんです。笑
しかし、根本の解剖学・運動学・生理学の知識が無いと上手く咀嚼して吸収できません。まずは、基本の教科書をしっかりと学んで、その上で論文を読んだりセミナーに参加することで得られる物が増えるはずです。
では、最後に新人時代に私がお世話になり、今でも良く利用するおすすめの教科書をご紹介したいと思います。
おすすめの基本の教科書3選
プロメテウス解剖学
この本の素晴らしいところは筋はもちろんのこと、神経や血管などもキレイに描かれていてとても見やすいです。
私はこの本で層構造の大切さを学びました。というのも、この本は表層から深層に向かって筋を剥がしていくかの様に描かれています。なので、実際に患者さんに触れる時に触診の圧力を変えたりすることで「今触れている組織は何層目に位置するのか?」を意識することができるようになりました。層構造を意識しないと触れている組織が何なのかが明確になりません。
患者さんに触れる時に層構造を意識したら触診する力がアップしますよ!!
触診に関してはこんな記事も書いているので良かったら是非読んでみてくださいね!
⇒新人理学療法士向け!触診技術向上のために意識したい7つの方法
筋骨格系のキネシオロジー
この本は第2版になってカラー版になってますます見やすくなりました。機能解剖学として分かりやすくまとめてあります。
各関節の基本的な解剖学だけではなく、「動き」を知るのに特化した本となっています。各関節の凹凸の法則や、滑り・転がり運動などの副運動、正常な関節の動きの条件など、分かりやすくまとまっています。
特に、私は肩関節の章が好きです。肩甲上腕リズムは聞いたことがありますか?学校でも必ず習うと思います。しかし、肩関節外転動作には肩甲上腕リズムの正常化だけでは不十分であり、正常な外転を得るには様々な条件があります。条件がイラスト付きで一覧にまとまっており、新人理学療法士の方にはとても役立つと思います。
学生時代から実習などで触れることが比較的多い本だと思いますが、働いたことを機に購入するのもありだと思います。
プロメテウス解剖学で解剖のイメージを持った後に、筋骨格系のキネシオロジーで動きをイメージすることで臨床により生かしていくことができます!!
シンプル生理学
正直なところ、私は生理学が苦手です・・・。解剖学、運動学に比べて読んでる本の量もかなり少ないですが、そんな私でも読んだことがある1冊。でも、先に紹介した2冊程読み込んでいないため、おすすめ要素があまりありません。笑
むしろ、生理学は苦手意識が強いので、おすすめ教科書があったら教えてください!
まとめ
いかがだったでしょうか?まずは基本の解剖学・運動学・生理学の勉強を頑張ってくださいね!!オススメした教科書を何度も何度も読み返してください!!
そして目の前の患者さんの治療に全力で取り組んでください!!そうすれば理学療法士としてのやりがいを発見することができ、臨床がどんどん楽しくなってくるはずです。
過去記事でこんなことも書いているので是非読んでみてくださいね!